題名にある通り、ICUを自然科学で受験し、無事合格することができました。

ICUってどんな大学?という方はググってください。学部は教養学部のみですが、文理問わず様々な授業を受けることができる大学です。海外出身の先生や帰国子女の生徒が多く、英語で授業を受けたり喋ったりするらしいので英語の勉強がとても大変らしいです。自由な校風だそうで、とても楽しみです。

ICUが理系の人でも受験できることってあまり知られていないのではないかと思ったのと、受験が一風変わっていて面白かったしあらかじめ知っておきたかったことも多かったので、色々頑張って思い出して軽く、鬼久しぶりですが記事にしてみました。理系は「英語」+「総合教養(ATLAS)」+「数物化生のうちどれか2つ」(=自然科学受験)で受験可能です。(文系だと日本史と世界史両方やらなきゃいけないらしく私文志望の人はかなり大変らしいので、英語が好きな理系にとっては穴場なのでは??

とりとめのない日記みたいになってしまいましたがそれでもいい方はどうぞ。

出願

ICUは出願が結構大変です。というのも、なぜICUを受けたいのかという作文(日本語)をいくつも入力する必要があるためです。ICUには追加合格もないので、まずはこの大量の作文を書いてくれるかどうかで熱意のない人を削ぎ落としているのかなというレベルです。()また、志望動機だけでなく任意記述のアンケートもかなりあり、ATLASの過去問を解いてみての感想などを書くところもありました。志望動機はともかくとしてアンケートは多分合否に関係ないと思うのですが、私は怖くて一応全部ちゃんと書きました。手書きではないのが救いですね。

1行目に作文(日本語)と書いたのですが、ICUに入学する瞬間、まだ授業を1個も受けていない状態から、今度は取りたい授業の志望動機(?)を英語でたくさん書くことになります。うひゃー!

試験会場

ICUは最寄駅(武蔵境駅)から結構遠く、駅からバスに乗ることになります。普段の運行とは違い直通なので降りる駅を間違えたりすることもなく安心でした。無料ではない(確か220円とか)ので、Suicaにお金は入れておいたほうがいいです。

そして自然科学受験(=理系)は人文社会科学受験(=文系)に比べて結構人数が少ないので、受験会場がICU高校 となります。高校といってもキャンパス内にあり、大学の建物に隣接しているので、間違えて文系と一緒に入場してもまあまあ大丈夫です。しかし隣接といってもICUは広すぎるためそこそこ(動揺含めて5分くらい)歩くことになるので、バスを降りたらしっかり看板を見て進みましょう。バスは文系用の看板の前で停まるので、そこに集まる文系と一緒になあなあで歩いていくと無事に文系の会場に着き、案内のおにいさんにご迷惑をかけることになります(私)。多分バスから少し離れたところに理系用の看板が立っている と思うので周りを見回してみてください。

試験内容

試験の対策などについては私は何もわからないです。あくまで当日の感想になります。また、ICUは問題用紙も回収される ので、完全に私のうろ覚えでの記述です。確か、、とか多分、、とかばっかりでハッキリしないところもありますが、、

注意など

ICUは全ての科目が、ほとんど全部マークシートでの回答 となります。共通テストとは違い1個のマークの形が横に長い四角形になっていました。確か自然科学には記述回答が3問くらいあったのですが、記述とはいっても「3v」とか書くだけで、解法記述などはありませんでした。

文系のほうは違うと思いますが、私の教室はたった25人程度しかおらず、机は普通の高校の個人用机みたいな感じで広々使うことができました。(文系はものすごく机が狭いと聞いたことがあります。)こんなに受験生が少ないのにも関わらず試験官は3人(皆女性でした)もいてとても驚きました。私は窓際の席だったので試験前に眩しくてがっかりしたのですが、試験監督の方が始まる前にカーテンを閉めてくださったので快適に受験できました。

ここで重要な注意なのですが、シャーペンは机の上に出せません! 私は共通テストのノリでシャーペンでメモをとりつつ鉛筆でヌリヌリするかあと思っていたのですが、試験前試験監督の「シャーペンは使えません」という鶴の一声でみんな困惑の表情を浮かべながら周りを見回しつつおもむろにシャーペンをしまっていました。鉛筆は多めに持っていくことをお勧めします。

また、試験監督が結構厳しいです。ブランケットを使う人は毎試験前に裏返して見せさせられますし、スマホもみんな同じタイミングで机に出して、同じタイミングでカバンにしまわないといけません。早稲田とかだと、机に出しなさいという指示があってもすでに自主的に電源を切ってカバンに入れたスマホを真面目にいちいち机に出す人はほぼいませんでしたし試験監督も見ていませんでしたが、ICUはいちいち指示に従わないといちいち注意されます。(試験中の試験監督の見回り具合は同じくらいだったので早稲田がカンニングしやすいとかそういう話ではないです念の為。)ただ、試験が始まる前に試験官が自己紹介してくれて、終わった後にこれからも健康に気をつけてとか激励してくれるのはICUだけで、空気はよかったです。

1科目め:自然科学

80分間、80点です。数物化生のうち2つをその場で選択し、回答することになります。時間配分はお好みです。私は生物は専門外な上、化学はマジでできないので(ごめんなさい、、)消去法により数学と物理を選択しました。1枚の回答用紙に2科目回答できるようになっています。間違えて自分で数学と選んだ解答欄に物理を回答するようなことのないように気をつけたほうがいいです。

数学 は確か絶対値に関する問題が延々と続いていたと思います。私は理系のくせに数学も苦手な方なのですが、かなり変わった問題構成だったので果たしてこれは大学受験なのだろうか、、とちょっと思いました。2019年の問題を試してみたら量も多く積分やベクトル方程式など結構数学をちゃんと勉強している人向けの難しめの構成になっていて過去問が散々だったので割と絶望しながら問題を開いたのですが、おかしな間違いをしていなければ多分8~9割は取れたのではないかと思います。みんなもできていただろうとはもちろん思いますが、この数学で気分的にかなり明るくなったので今年受験して本当に良かったです。

物理 は確かやり投げの運動に関する問題、電子顕微鏡の仕組みについての問題が出ました。投げやりな性格にも関わらずあいにくやり投げはしたことがなかったのですが、力学は結構できたと思います。難易度としては易しく感じましたが、普通の受験であれば暗記が前提の公式が問題文に書いてあったりしたので、思考力を問うている感じが強くおもしろかったです。ただ合否発表の時サイトを見たら、私が自信を持って回答した問に問題にちょっとした不備があったとかで全員正解にされていて内心キレ散らかしました。(でもちゃんと調査してくださっているのはありがたいことだと思います。)私の塾の物理の先生によれば共通テストの物理のテーマは「生活に即した物理」らしいのですが、ICUの問題の方がよっぽど生活に即していたと思います。前提の知識が薄くて怪しい問題が電子の方で数問あったので、悪くて7~8割くらいだったでしょうか。運が良かったらもっと良いかも。

どれくらいかは一切覚えていないのですが、時間は一応余ったので見直しすることができました。やはりマーク式ですし、慣れない解答シートですのでマークのズレなどは自分の精神安定のためにも入念に確認しておいたほうが⭕️です。

この数日前に受けた東京理科大学理工学部の入試で英数かなりうまくいったのに最後の物理で悪い方にどんでん返しされたので、1科目めが自然科学であることに多少の不安はあったのですが、私にとっては数物ともに成功だったのでとても嬉しかったです。

2科目め:総合教養(ATLAS)

80分間、80点です。このATLASがICUの入試で一番特殊な試験でしょう。始めに放送で流れる15分程度の講義(日本語)をメモを取りながら聞き、問題に移ります。問題は 直接的に講義で何を言っていたかを問う問題が1つと、講義の内容に関係した長文問題が3つあります。 個人的にATLASの受験記は需要があると思ったので、私が困惑したところを重点的に書き残します。

まず始めに解答用マークシート、メモ用紙、問題冊子が配られます。ここで第一の困惑ポイントだったのですが、解答用マークシートが信じられないくらい小さい です。多分横7cm×縦12cmぐらいだったのではないでしょうか。そもそも試験監督の人はこれを「カード」と呼んでいました。私は試験中にこのカードが空調で吹っ飛んだり、私の机で良くあることなのですが忽然と姿を消したりしないかと不安になって、無駄に長い試験開始待ちの時間をソワソワして過ごす羽目になったので、あらかじめ知っておけばよかったです。(幸いそんなことは起きませんでした。)

第二に知っておけばよかった点として、講義がぬるっと始まり すぎます。これから始まる講義を聞き、、とかいって講義の内容を含めた説明をするのでそのうちナレーター交代するのかなと思っていたら、同じ声のままで気づいたら本講義が始まっていました。また、メモ用紙が案外親切なのも驚いた点です。完全な白紙かと思いきや、いくつも事項が間隔をあけて箇条書きで書かれていて、その事項に関する知見を近くにメモることができます。私は読む方が得意で講義を聞くのは割と苦手なのですが、メモ用紙のおかげでなんとかなった気がしました。

講義を聞くときは問題用紙を開いてはいけないのですが、まだこれ出題形式の説明だろみたいなところから周りが信じられないくらい鉛筆の音を立てながらメモっていたので、自分のメモで問題をきちんと解けるのかものすごく不安でした。でも普通に大丈夫だったので焦らず落ち着いてやることが大事だと思います。

第三に知っておけばよかった点、、というにしてはどうでもいいのですが、問題冊子のめくるところの真ん中がテープでとまっていました 。テープ自体が分厚くてテープ自体を切ることはできないし結構しっかり貼りついていて、私はこれの正しい外し方がわからず、かといって周りを見回すことも叶わず、時間がもったいないと焦った結果テープの周りの紙をビリビリに破いてしまいました。幸いダメージは表紙だけで済んだのですが、あまりに下手すぎて紙の切れ端が出てしまいました。試験後に切れ端が見られたら恥ずかしいという一心で問題冊子に紙の切れ端を挟みこんだのですが、冷静に考えて怪しすぎるのでやめたほうがよかったです。(需要ゼロ感想)まあ、どんなにビリビリにしても問題が読めれば大丈夫です!

2022年度入試のATLASのテーマは確か地球温暖化でした。ひとくちに温暖化といっても、「様々な歴史的・経済的事情のある国々にどのようにその責任を振り分けるべきか」とか、「科学者たちはどのようにして、今のところ地球温暖化は人間に起因するという考えに至っているのか」とか、様々な側面で見ることができますよね。総合教養の目的はこのように 物事を多角的に見れているかどうか を確認することにあるのだと思います。先ほど「講義の内容に関係した長文問題が3つ」と書きましたが、それぞれ人文科学、社会科学、自然科学の観点で書かれた文章となっており、本当に様々な問題があります。理系で、読解スピードに自信がない人は、一番最後の自然科学の観点で書かれた文章から解き始めるのも手かもしれません。

グラフの読解、平均計算、世界史の知識、クイズみたいな問題(灯台の東に岩があって、岩の北に山があって、、みたいなのが続いて、位置関係を把握する)など色々な問題がありましたが、幸い世界史の知識を問う問題が2問程度怪しかった以外は大丈夫っぽかったです。悪く見積もっても8.5割は堅かったと思います。9割いってて欲しいな〜。

ATLASのためだけに世界史を勉強するとかは全くしなくていい です。文章から推測できることが多いし、推測できなそうなものがあってもそれは数問なので!

ATLASは楽しめる入試だと学校のホームページに書いてあったので楽しみにしていたし実際に面白かったです。(欲を言えばデータサイエンスとか技術革新の歴史の話を勝手に期待していましたw)

3科目め:英語

90分間、90点です。難しかったです。自然科学と総合教養でウハウハだったのですが、最初の30分間リスニング地獄でだいぶ精神がやられました。男性と女性が出てきたのですが、それぞれ違うアクセントで喋ってい(たような気がし)て、少し混乱しました。

これは本当に知っておけばよかったのですが、リスニング中指示があるまで次のページに進んではいけないし、なんと戻ってもいけません。 これも焦りの要因になりました。

リスニング は最初の数問は会話なのですが、最後の方は講義みたいな感じになって、信じられないくらい長い上に喋りが爆速すぎてほとんど何を言っているかわからず、虚無の時間を過ごしました。このとき、さっきはあんなに爆音だったのに誰も何もメモを取っている音がしなかったので、誰も聞き取れてないんだなと思い今度は少し安心しました(最悪)。グルテンフリーダイエットについての講義があったのですが、幸い私の父が実際にグルテンフリーダイエットをしていたので何も聞き取れなくてもそこは問題文を読めば何問か回答することができました。運が良かったし、貪欲に解いて良かったです。そういうこともあるので諦めず頑張ってください。

あと私は専門家ではないので変に信じないで欲しいのですが、このリスニングを完全日本育ちの人が伸ばすのは相当大変だと感じました。リスニングは毎日やらないと意味がないとか言いますが、ICUでリスニングで高得点を目指すならリーディングの勉強をした方がいいと思います。他の学校でもリスニングがあるならいいですが、ICUのためだけにリスニングの勉強で時間を使うのはよくないと思いますし、そもそもコスパが悪いと思います。私は洋楽が好きなのでそこそこリスニングに自信(とは言っても共通テスト9割行かないくらいです)があったのですが、全然ダメでした。5割いってないと思います。

リーディング は時間が少ないです。私は読むスピードには常日頃から自信を持っていましたが、最後のページの問題数を勘違いしていたのもありギリギリ足りませんでした。総合教養で大量の長文を読まされ、リスニングで心をズタズタにされた後の英長文の嵐はきつかったです。うーん、6割くらいだったんじゃないかな、、

最後のページ以外は読解で、最後のページの長文は毎年単語選択問題が12問と決まっているのですが、何を勘違いしたのか私は最後のページは4問くらいだとなぜかその時は思いこんでいて、残り2分でノリノリで開いて心から絶望しました。最後のページは思ったよりいっぱいある と肝に銘じてから受けてください。このとき手が震えすぎてまともにマークがぬれず、ますます焦りました。

申し訳ないですが英文読解の内容は他の大学と記憶が混じってしまい本当に一切覚えていません、、、でも確か微妙に思える選択肢が多かったような気がします。この日は特に寒かった上に帰りのバスでは自然科学も総合教養も大成功だったのに英語の最後のページのことばかりが頭に浮かび、最悪の気分でした。まあどうせ自分は単語と文法は不得意だから時間を割いてもきっとできていなかったはず、、などと酸っぱいブドウ理論を反芻していました。皆さんはくれぐれもそういう後悔のないようにしてください!先ほど理科大の入試に触れましたが、あんなにうまくいったのに自分はまた最後の最後でやらかすんだな、、フラグかよ、、とがっかりしていました。ただ、問題冊子が返却されていたらもっといつまでも気にしていたと思うので私は返却されなくてよかったです。

合否発表

なんと発表は試験日の5日後でした。こんなに発表が早い学校って他にあるんかな、、ありがたいです。

私はあの英語があったとはいえ例年の合格最低点が146/250とかなので合格を確信していたのですが、今になって冷静に考えると絶対に得点調整してますよね、、、()とはいえやっぱり行きたい大学だったのでかなり緊張しました。

時間になったらあとはリロードするだけの状態にしておいて、発表時間が来て固唾を飲みながら半目になって満を辞してリロードしたら、そもそもパスワードを入れてログインしてるのに本人確認がかなり厳重で、またパスワードを入れてくださいという画面になったのでブチギレま すごく心臓に悪かったですが、気を取り直してパスワードを入れました。(ちなみにこのあと他大の発表で使ったUCAROは、またパスワードなんだろと思って舐めながら通知を押したらそれだけで結果が出てしまいました。一生自分のタイミングで合格見れなくて草)

超大きい四角の黄色地に、白字で合格と書いてありました。とても嬉しかったです。受かったのがもちろんものすごく嬉しかったですが、自分の点数の見立てが割とあってたことも嬉しかったです。あと黄色が好きなので嬉しかったです。いろいろ嬉しかったです。

後日封筒が届いて、そこに日本語と英語で書かれた学長先生による合格おめでとうペーパー(表現がわかりませんでした、、)が入っていたので記念に写真を撮りました。先生の筆記体のサインが書いてあって、ICUのグローバルな感じがしてかっこよかったです。

まとめ

ICUの受験は変わっているので、初見の状態では(←強調しておきます)合うか合わないかの差が激しいと思います。私は長い時間あまり好きではない科目のために机に向かうのがとても苦手で、高校でみんなが真面目に勉強しているのを見るのが自分のダメさが突きつけられるようで本当に苦痛だったし、そういう意味で最低最悪の1年間でした。(楽しかったことももちろんありましたし色々な人に助けてもらったし、私は自分なりに頑張ったつもりでいます。)ただ昔からいろんな本を読んだり電車の広告を全部読んだり、暗記は苦手ですが自分で考えを巡らせたりすることや、学校の授業で英文を読むこと、雑学を知ることが好きだったので、そもそも試験がおもしろいこの入試形態がとても合っていました。

私でもこんな素敵な大学に拾っていただいて、何かしら認めてもらえたような気分になることができて本当に感謝しています。私と同じような境遇の人はこの入試形態が合っているかもしれないので、ぜひ色々調べてみてほしいです。この記事がそういう人に届いてくれたら嬉しいです。 ただICUは入ってからの勉強がとても大変なことは知っておいたほうがいいと思います。私はICUでなら英語や情報など好きなことに向かって努力できると信じているので、受験しました。どうなるかわかりませんが、これから頑張ります。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。まだ入学していないため大学のことはあまりわからないので、これから加筆訂正があるかもしれません。何かございましたら、訂正等いたしますのでお手数ですが@madoreenu314までお願いします。そしてもし良かったら下のボタンでシェアしてやってください。改めてありがとうございました。